余命の濃さとその重さ

会う人会う人がディープインパクトは凄いと語ります。映画じゃなくて競馬の話ね。
あれは近年まれに見る競走馬だ、ついに来たと話す顔がほころぶほころぶ。
今から馬券買いに行ってくるよ!今日の14番は確実だから!普段冷静な方まで熱っぽい。
「ヒーロー到来」いい大人が嬉々。高倍率狙いを好む人まで「皐月賞はこの馬の単勝でもいい」なんて入れ込み様。
その異常な人気ぶりが気になって、深夜の中継で「スポーツニュース」を見ました。


すごかった。みなさんの仰る通りでした。走りが速いなんてもんじゃないです。
トラブルで出遅れ最後尾からのスタートでした。
普通の馬ならその時点で「あーあ」なのです。観客の視線からすっと外されてしまうはず。
なのに、ディープインパクトは違いました。レースも大詰め、騎手(武豊)が数回鞭を入れます。途端、馬足が加速しました。
見る間に全頭ごぼう抜き。さらに2着と2馬身半引き離してダントツのゴール。
確約されていたかのような勝利はまさにヒーロー。鮮やかすぎて、映画でも見てるみたい。
聞いた話によると、それまでのレースは一度も鞭を入れることなく勝ってきたんだそうです(普通はばしばし入れるの)
あれが出るならレース見に行きます。走ってる時間なんてウルトラマンより短いけれど、理由がわからない美しさがありましたもん。
競走馬としての生命は短いものです。どうぞお早めに。