偏ってる人が好き

5限の教授はα波を誘発する。古い日本語、母なるアルト声、抑揚のない喋り、長い息継ぎ。もうこれは音楽の域に達している。睡眠時間が足りていようとも別腹もの。講義内容が好きなだけに1コマ分葛藤している。


特典目当てにCD買う人っているんだと思いきや、今日は店のシールでケーキを選ぶおんなのこに出会いました。
彼女の好きなものはケーキ屋で、ケーキの持つ可愛さで、ついてくるお店のシールのようです。
ケーキに負けず彼女も可愛い。とびきりの笑顔で店員にオネガイをふっかける。
「お店のシールください」
「名前にはどういう意味があるんですか?」
店内に困惑が広がる。必ず出てくるその日いちばんえらい人。
アルバイトとゆー雇用体系とマニュアル接客の弱点をつついているのね。貴女は「ケーキやさんだいすっき」なだけなのよ、無邪気よステキよ悪いのは向こうよ。
御影高杉のミルフィーユに苦戦しててとりあえずかわいい。追加でもう一個食べるのも食べるのが遅いのもいい。朝からスニーカー履いてケーキ屋巡りしてた積極性もそうとう高く買う。許される星の下に生まれてるんだ。見た目も中身もケーキでできてるんだ。コカルドの制服着たら似合うだろうなあ。